在宅ワーク・Web会議向けネット回線の選び方|光回線とホームルーター・WiMAXを比較

在宅ワークで地味にストレスになるのが、Web会議中に映像が固まる、音声が途切れる、画面共有が遅れるといった「回線まわり」のトラブルです。モニターやチェアをどれだけ整えても、回線が不安定だと仕事そのものが止まってしまいます。
この記事では、在宅ワーク・Web会議のためのネット回線の選び方を整理したうえで、光回線 と ホームルーター・WiMAX の違いを比較します。具体例として、光回線から DTI光、工事不要の回線から BIGLOBE WiMAX +5G を取り上げました。
この記事は、2026年9月時点で各社の公式サイトやMicrosoftの公開資料を調べてまとめた比較ガイドです。実際に回線を契約して速度を測定したレビューではありません。通信速度はすべてベストエフォート(最大値)で、住まいの設備や時間帯、電波状況によって大きく変わります。料金や特典も変更されることがあるため、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
先に結論:こんな人にはこのタイプ
| こんな人 | 向いている回線タイプ | 具体例 |
|---|---|---|
| Web会議が毎日あり、安定性を最優先したい | 光回線 | DTI光 |
| 家族もテレワーク・動画視聴で同時に使う | 光回線 | DTI光 |
| 賃貸で工事ができない/すぐに使い始めたい | ホームルーター | BIGLOBE WiMAX +5G(HOME 5G L13) |
| 引っ越しや転勤の予定がある | ホームルーター | BIGLOBE WiMAX +5G |
| 自宅以外(カフェ・出張先)でも仕事をする | モバイルルーター | BIGLOBE WiMAX +5G(DOCK 5G 01) |
Web会議に必要な通信速度の目安
「何Mbpsあれば足りるのか」は気になるところです。MicrosoftがTeams向けに公開している帯域幅の要件では、1人あたり(1台の端末あたり)の目安が次のように示されています。
| Teamsの利用内容 | 推奨(上り/下り) | 最高のパフォーマンス(上り/下り) |
|---|---|---|
| 音声のみの会議 | 58kbps/58kbps | 76kbps/76kbps |
| ビデオ会議 | 2.5Mbps/4Mbps | 4Mbps/4Mbps |
| 会議での画面共有 | 2.5Mbps/2.5Mbps | 4Mbps/4Mbps |
※Microsoft Learn「Teams 用に組織のネットワークを準備する」の表(kbps表記)をMbpsに換算。
数字だけ見ると、ビデオ会議でも数Mbps程度です。つまり、Web会議が不安定になる原因は「最大速度が足りない」ことよりも、混雑する時間帯に速度が落ちる、通信が一瞬途切れる、家族の利用とぶつかる、Wi-Fiが弱い といった「安定性」の問題であることが多いと考えられます。同資料でも、帯域が足りない場合Teamsは映像より音声の品質を優先すると説明されています。
見落としがちなのが 上り(アップロード) です。自分の映像や画面共有は上りの通信を使うため、下りの最大速度だけでなく上りの条件も確認しておきましょう。
回線タイプ3つの違い
光回線
光ファイバーを自宅まで引き込む固定回線です。有線でつながるため、一般的に電波状況の影響を受けにくく、家族で同時に使う場面にも向いています。一方で、開通工事が必要になる場合があり、申し込みから使えるようになるまで時間がかかることもあります。
ホームルーター(置くだけWi-Fi)
モバイル回線(4G/5G)の電波を受けて、家の中にWi-Fiを飛ばす据え置き型の機器です。工事不要で、届いたらすぐ使い始められるのが最大のメリット。ただし無線なので、設置場所の電波状況や周辺の混雑によって速度が変わります。
モバイルルーター(ポケット型Wi-Fi)
持ち歩けるバッテリー内蔵のルーターです。自宅でも外出先でも使えますが、同時接続や据え置きでの安定性はホームルーターに比べて控えめなことが多く、在宅ワークのメイン回線としては使い方を選びます。
回線タイプ別の比較表
| 項目 | 光回線 | ホームルーター | モバイルルーター |
|---|---|---|---|
| 開通工事 | 必要な場合が多い | 不要 | 不要 |
| 使い始めるまで | 工事日程しだい | 端末が届けばすぐ | 端末が届けばすぐ |
| 安定性の傾向 | 高い | 電波状況に左右される | 電波状況に左右される |
| 有線LAN接続 | ルーター経由で可能 | 機種による(L13は有線2台) | 機種による(DOCK 5G 01は有線1台) |
| 持ち運び | 不可 | 原則自宅で使用 | 可能 |
| 引っ越し時 | 移転手続き・工事が必要な場合あり | 住所変更などの手続きで使える場合が多い | 手続きの必要は少ない |
※一般的な傾向です。実際の条件は契約するサービスの公式情報を確認してください。
在宅ワーク向け回線の選び方
1. 住まいで工事ができるか
戸建てか集合住宅か、集合住宅ならすでに光回線の設備があるかで、選べる回線と費用が変わります。賃貸で工事の許可が必要な場合は、管理会社への確認も必要です。
2. どのくらいの期間使うか
2年以内に引っ越す予定があるなら、工事費の分割残債や移転手続きの手間も考えておきましょう。短期なら工事不要のホームルーターのほうが扱いやすい場合があります。
3. 契約期間・解約金・端末代
最近は契約期間の縛りがないサービスも増えていますが、工事費の分割払いや端末代の分割払い が残っている間に解約すると、残額の一括払いが必要になるのが一般的です。月額料金だけでなく、総額で比較するのがおすすめです。
4. スマホとのセット割
使っているスマホのキャリアによっては、回線とのセット割引が受けられます。後述のDTI光とBIGLOBE WiMAX +5Gはいずれも、au(BIGLOBE WiMAXはUQ mobileも)のスマホとのセット割引を案内しています。
5. 家の中のWi-Fi環境
回線が良くても、ルーターから遠い部屋では速度が落ちます。Web会議をする部屋でどのくらい電波が届くかも考えておきましょう。
DTI光:縛りなしで使えるフレッツ光の光コラボ
DTI光は、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」の回線とDTIのプロバイダーサービスをセットにした光コラボです。公式サイトでは、契約期間の縛りがないこと(開通月は解約手続き不可)、IPv6(IPoE)接続に対応していること、プロバイダーとして28年の実績があることなどを特徴として挙げています。
2026年9月時点の公式サイトの月額基本料金(税込)は、最大1ギガの標準タイプで 戸建て(ファミリープラン)5,280円、集合住宅(マンションプラン)3,960円。一部エリアでは最大10ギガの「クロスプラン」(6,380円)も選べます。このほか契約事務手数料3,300円がかかり、新規で派遣工事がある場合の基本工事費は26,400円(24回分割)です。公式サイトでは工事費相当額を割り引く特典が案内されていますが、特典は予告なく変更・終了する場合があるとされています。
- メリット:固定回線なので安定性を重視する在宅ワークに向く/契約期間の縛りがない/IPv6(IPoE)接続は月額0円で利用できる(対応機器が必要)
- デメリット:新規の場合は開通工事が必要になることがある/工事費の分割期間中に解約すると残額の一括払いが必要/10ギガプランは一部エリアのみで対応機器も必要
- 向いている人:Web会議が多い人、家族で同時に使う人、同じ家に長く住む予定の人
BIGLOBE WiMAX +5G:工事不要で届いた日から使える
BIGLOBE WiMAX +5Gは、ルーターにSIMカードを挿すだけで使える工事不要のサービスです。公式サイトによると、au 5G/au 4G LTE/WiMAX 2+の3つのネットワークを利用でき、月間データ容量は無制限(大量利用時は混雑時に速度制限する場合あり)。最低利用期間はなく、契約解除料もかかりません。
ルーターは2種類から選べます。
- Speed Wi-Fi HOME 5G L13(ホームルーター):下り最大4.2Gbps・上り最大286Mbps、無線32台+有線2台まで接続可能
- Speed Wi-Fi DOCK 5G 01(モバイルルーター):下り最大3.5Gbps・上り最大286Mbps、重さ約198g、無線48台+有線1台まで接続可能
料金は、2026年9月時点の公式サイトで「ギガ放題プラスS」が 月額4,928円(税込)。ただしBIGLOBEは 2026年10月1日から月額料金に一律330円(税込)を加算する料金改定 を告知しています(月額値引き特典の適用中は、特典期間終了まで改定前の月額が維持されるとの案内あり)。このほか申込手数料3,300円と、ルーター代33,264円(24回または36回の分割払いが可能)がかかります。
- メリット:工事不要ですぐ使える/最低利用期間・契約解除料なし/ホームルーターならLANケーブルでPCを有線接続できる
- デメリット:無線のため電波状況や混雑で速度が変わる/ルーター代が別途かかり、分割中に解約すると残額の支払いが必要/エリア外や建物の奥では使いにくいことがある
- 向いている人:工事ができない賃貸の人、引っ越し予定がある人、在宅ワークをすぐ始めたい人
そのほかの選択肢
今回取り上げた2社以外にも、フレッツ光を使うほかの光コラボ、独自の回線網を持つ光回線(NURO 光、auひかりなど)、大手キャリアのホームルーター(ドコモのhome 5G、ソフトバンクのSoftBank Airなど)といった選択肢があります。提供エリアや料金、スマホとのセット割の条件はそれぞれ異なるので、今使っているスマホのキャリアや住まいの設備に合わせて比較してみてください。
回線を変える前に試したいこと
回線の契約を変える前に、家の中の環境を見直すだけで改善することもあります。
- Wi-Fiルーターの置き場所を見直す:床や棚の奥ではなく、部屋の中央寄り・高めの位置に置く
- 5GHz帯を使う:Microsoftの資料でも、Wi-Fiは必ずしもリアルタイムの音声・映像向けに設計されていないとしたうえで、5GHz帯がリアルタイムメディアに適していると説明されています
- 有線LANでつなぐ:ノートPCにLAN端子がなければ、USB LANアダプターやLAN端子付きのモニター・ドックを使う方法もあります
- プロバイダーのIPv6(IPoE)対応を確認する:光回線の場合、IPoE方式に切り替えられるか、ルーターが対応しているかを確認しましょう
まとめ
在宅ワークのネット回線は、最大速度よりも安定性、そして 工事の可否と使う期間 で選ぶのがポイントです。
- Web会議が多く、同じ家に長く住むなら 光回線(例:DTI光)
- 工事ができない、引っ越し予定がある、すぐ使いたいなら ホームルーター(例:BIGLOBE WiMAX +5G)
- 外出先でも仕事をするなら モバイルルーター
料金・特典・提供エリアは変更されることが多いので、申し込み前に公式サイトで最新の条件を確認してください。2年間の支払いの目安や、WiMAXで失敗しやすいケースはWiMAXと光回線の比較記事にまとめました。モニター選びについては在宅ワーク向けモニターの選び方もあわせてどうぞ。
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よくある質問
Web会議だけなら、ホームルーターでも十分ですか?
Teamsの要件を見るとビデオ会議に必要な帯域は数Mbps程度なので、電波状況が良い場所であればホームルーターでも使えるケースは多いと考えられます。ただし、時間帯や設置場所で速度が変わるため、会議の多い人や家族で同時に使う人は光回線のほうが安心です。
10ギガの光回線は必要ですか?
Web会議やクラウドでの資料作業が中心なら、1ギガのプランでも帯域としては十分な場合がほとんどです。大容量ファイルを頻繁にやり取りする、家族で動画配信やオンラインゲームを同時に使うといった場合に検討するとよいでしょう。10ギガは提供エリアが限られ、対応機器も必要です。
契約期間の縛りがなければ、いつ解約しても費用はかかりませんか?
契約解除料がかからなくても、工事費や端末代の分割払いが残っていれば、その残額を一括で支払うのが一般的です。DTI光は工事費の分割期間中の解約で残額の一括払いが必要、BIGLOBE WiMAX +5Gはルーター代の分割途中で解約すると残額の支払いが必要と案内されています。


